【プロが教える】撥水と防水の違いとは?レインウェアや作業服選びで失敗しないためのポイント

雨の日の屋外作業やアウトドア、通勤通学で欠かせないのがレインウェアや防水防寒着です。しかし「撥水(はっすい)」と「防水(ぼうすい)」の表示を見て、どちらを選べばよいのか迷った経験はありませんか?一見すると同じように思える2つの機能ですが、その仕組みや効果、耐久性はまったく異なります。
今回は雨合羽メーカー「ジンナイ」の高橋氏をお迎えし、撥水と防水の根本的な構造の違いから、長く快適に使うためのメンテナンス方法、作業服選びで絶対に確認すべきポイントまで詳しく解説します。作業服通販サイトアルベロットユニが現場で役立つ正しい知識をお届けします。
Contents
1. 撥水(はっすい)の仕組みと効果的なメンテナンス方法
撥水とは、生地の表面で水を弾く加工のことです。生地の表面を肉眼では見えないほどミクロな「撥水基(はっすいき)」と呼ばれる突起状の構造でコーティングしています。この無数のアンテナのような撥水基が水滴との間に隙間を作り、水が生地の中に染み込まずに玉のようになって転がり落ちる仕組みです。

撥水加工の特徴は、生地本来の通気性を損なわずに水滴を弾ける点です。一方で、撥水加工は永久的なものではありません。摩擦や汚れ、洗濯によって表面の撥水基が倒れたり剥がれたりすることで、徐々に効果が薄れていきます。
効果が落ちてきたと感じたら、定期的なお手入れが必要です。市販の撥水スプレーを噴霧したり、適切な熱処理を加えたりすることで、倒れてしまった撥水基を起こし、弾き感を復元させることができます。ライトな雨や短時間の作業、頻繁にケアができる環境であれば撥水加工のウェアが適しています。
2. 防水(ぼうすい)の構造とコーティング素材の種類
防水とは、生地の裏側に水を通さない膜(防水フィルムや樹脂コーティング)を貼り付けることで、水の侵入を物理的にシャットアウトする機能です。撥水が表面で弾くのに対し、防水は生地の裏側で完全にブロックする構造を持っています。

防水膜には用途に合わせてさまざまな素材が使用されています。
- 塩化ビニール樹脂(PVC):耐水性が高く頑丈で、水産加工や激しい水作業に向いている素材です。
- ポリウレタン(PU):薄くしなやかで、湿気を外に逃がす透湿性を兼ね備えたバランスのよい素材です。
- フッ素樹脂系(PTFEなど):高次元の防水性と優れた透湿性を持ち、過酷な全天候型現場で使われます。
また、水産現場などで使われる漁師用のカッパには、表面に防水樹脂を配置し、裏面に生地をあてる逆の構造で作られた製品もあります。表面で完全に水を防ぎ、ウェアと身体の間に空気の層を作ることで、べたつきや不快感を軽減する工夫が施されています。

3. レインウェアと防水防寒着を見極める「シームテープ」の存在
作業用のレインウェアや防水防寒着を選ぶ際、生地の性能以上に重要となるのが「縫い目の防水処理」です。どれほど高い耐水性を持つ防水生地を使っていても、服を縫製する際に針が通ることで、目に見えない小さな穴が無数に開いてしまいます。そのままでは強い雨を受けたときに縫い目から水がじわじわと侵入してしまいます。

本格的な防水ウェアには、縫い目の裏側に「シームテープ(縫い目シールテープ)」という特殊なテープが熱圧着されています。製品の脇や裏側を指でなぞったときに、平らなテープの感触があれば、縫い目までしっかり防水対策が施されている証拠です。
シームテープがないウェアは、小雨程度であれば問題ありませんが、長時間の雨天作業では中まで水が浸透し、インナーを濡らしたりカビの原因になったりすることがあります。完全な防水性を求める現場では、シームテープ加工の有無を必ず確認しましょう。
4. 作業環境に合わせた正しいウェアの選び方
作業服やレインウェアを選ぶときは、作業環境や濡れるリスクの大きさに合わせて撥水と防水を使い分けることが大切です。
【撥水ウェアが適しているシーン】
- 小雨程度の環境や、屋内外を頻繁に行き来する作業
- 蒸れにくさや動きやすさ、生地の柔らかさを優先したい場合
- 車移動が多く、短時間だけ雨に濡れる可能性がある場合
【防水ウェアが適しているシーン】
- 台風や大雨の中での長時間の屋外作業
- 水圧がかかる姿勢(ひざまずく、荷物を抱えるなど)が多い現場
- 水産現場や高圧洗浄作業など、常に水がかかる環境
撥水と防水の両方の機能を備えた「撥水+防水(シームテープ加工)」のウェアを選べば、表面で大部分の水を弾きつつ、染み込みを完全に防ぐことができるため、過酷な雨天時の作業でも非常に快適です。

5. まとめ:現場に最適な1着で雨の日も安全・快適に
今回は、撥水と防水の構造的な違いから、レインウェア選びでチェックすべきシームテープの重要性について解説しました。表面で水を弾くのが撥水、裏面で水の侵入を完全に防ぐのが防水です。どちらか一方だけではなく、両方の特徴を正しく理解して選ぶことが現場の作業効率向上につながります。
アルベロットユニでは、プロの現場で活躍する高耐水性のレインウェアから、通気性に優れた撥水ジャケット、シームテープ加工を施した本格派の防水防寒着まで幅広く取り揃えております。お持ちの作業環境に合わせた最適なユニフォーム選びは、ぜひアルベロットユニにお任せください。







