透湿性や耐水圧とは?作業用合羽を選ぶときのポイントを解説

2022.03.30
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透湿性や耐水圧とは?作業用合羽を選ぶときのポイントを解説

日本には四季があり、1年を通じて気候が変化しています。特に屋外で仕事をすることが多い現場作業では、気候に適した作業着を選ぶことはもちろん、雨や雪の悪天候にも対応できる作業着が必要となるでしょう。
悪天候で作業する場合、作業用合羽がおすすめです。本記事では、作業用合羽の選び方や素材について解説します。

「透湿性」は外に蒸れを逃がす

工事現場や建設現場では、悪天候でも作業しなければならないことがあります。特に梅雨や冬のシーズンは、何を着用すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

しかし、悪天候の中で作業をする場合、普段使用している作業着を着用するのはおすすめできません。悪天候用に設計されていない作業着は、雨が簡単に浸透し、作業着が重くなって動きにくくなったり、体温を低下させる原因になったりするからです。

そこで、悪天候での作業着として活躍するのが作業用合羽です。一般的な合羽とは異なり、丈夫で悪天候の中の長時間作業にも耐えられるよう設計されています。

ただし、作業用合羽にもさまざまな種類があるため、「透湿性」や「耐水圧」について理解した上で製品を探すようにしましょう。たとえば、透湿性とは蒸れにくさを表す指標です。合羽を着用した際、身体がびっしょりと濡れてしまった経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

合羽に透湿性がないと、雨はシャットアウトできるものの、汗を外に出すことができずに蒸れてしまうのです。

特に活動的に動かなければならない作業現場では、作業用合羽の透湿性は必ずチェックすべきポイントだといえるでしょう。

透湿性は24時間で何グラムの水分を生地の外に逃がすことができるかをグラムで表記しています。

1時間当たりで発汗する量

透湿性は24時間で生地の外に逃がせる水分量をグラムで表していることが分かったものの、実際に自分自身がかいている汗の量が分からなければ適した透湿性の製品の購入できないでしょう。

通常、大人の安静時の汗は1時間あたり50g、軽い運動時は1時間あたり500g、激しい運動時は1時間あたり1,000gの汗をかくといわれています。

作業現場では軽い運動~激しい運動をしていると考え、適した透湿性の作業用合羽を選択するようにしましょう。

具体的には、蒸れにくい作業用合羽が欲しい場合は透湿性5,000g~8,000 g、べとべとしない作業用合羽が欲しい場合は透湿性10,000g~20,000 gのものを選択するのがおすすめです。

「耐水性」は染み込む水の力を抑える

透湿性と同様、作業用合羽を選ぶ際に知っておくべき指標が「耐水圧」です。耐水性とは、生地にしみ込もうとする水分をどれだけ防げるかを表す基準です。

耐水性を表す基準に耐水圧があり、mm(ミリメートル)で表されます。数値が大きくなると耐水性が高いと判断できます。たとえば、小雨の場合は耐水圧300mm、大雨の場合は耐水圧10,000mm、嵐の場合は耐水圧20,000mmが必要だといわれています。

ただし、生地に負荷をかけていない状態での耐水圧の基準であり、作業用合羽の場合はより高い耐水圧が必要です。

生地が雨に耐えられる目安

耐水圧の数値によって、生地にしみ込もうとする水分をどれだけ防げるかを知ることができます。
ただし、作業用合羽には作業中の動作によって生地自体に負荷がかかっています。たとえば、75kgの方が濡れた場所に座った場合は2,000mmの耐水圧、濡れている場所に膝をついているときには11,000mm前後の耐水圧が必要となります。

つまり、雨量だけで耐水圧を判断するのではなく、作業中の動作によって生地に負荷がかかっていることを考え、必要な耐水圧の作業用合羽を選ばなければならないのです。

防水・撥水生地との違いとは?

耐水性とは、生地が「水に耐える」強さを表す基準です。生地にしみ込もうとする水分をどれだけ防げるかを表し、耐水性は生地の素材によって左右されます。

一方、防水性は水を通さない性能を指します。単純に生地の隙間を埋めると、防水性が高くなります。撥水性は生地の表面が水を弾くことを指します。生地にもともと撥水機能があるのではなく、生地に撥水加工を施すことで撥水生地となります。

浸透性・耐水圧が高い素材がある

作業用合羽におすすめの素材を紹介します。

ゴアテックス

作業用合羽として人気の高い素材がゴアテックスです。

作業用合羽だけでなく、アウトドア用の製品としても幅広く活用されており、悪天候に強いことが特徴です。ゴアテックスは生地の表面に極薄のフィルム加工がされており、雨や雪、風の侵入をシャットアウトできます。

ゴアテックス素材は耐水圧45,000mm、透湿性13,500gとなっていますが、高性能な分、価格が高くなっています。

ディアプレックス

ゴアテックスと同様、高性能な素材がディアプレップスです。ゴアテックス素材との違いは、透湿性の数値が高いことです。

実際にディアプレップスは、耐水圧30,000mm、透湿性16,000gとなっています。汗をかきやすい方は、ディアプレップスを着用すると悪天候でも不快感なく作業できるでしょう。

浸透性・耐水圧素材のおすすめ作業着

悪天候の中の作業でも快適に着用できる作業用合羽を紹介します。

アイトス AZ-56301 全天候型ジャケット

アイトス AZ-56301 全天候型ジャケット

アイトス AZ-56301 全天候型ジャケット

悪天候だけでなく、全ての天候に対して快適に着用できる高機能な作業用合羽です。

ディアプレップス素材が使用されており、衣服内の蒸れにくさが特徴です。

また、水が侵入しやすい首回りやおしり回りは縫い目がないよう設計されているため、防水性も高くなっています。細かなディティールにこだわり、デザイン性にも優れた作業用合羽です。

旭蝶繊維 51019 ゴアテックス レインコート(高視認タイプ)

旭蝶繊維 51019 ゴアテックス レインコート(高視認タイプ)

旭蝶繊維 51019 ゴアテックス レインコート(高視認タイプ)

ゴアテックスが使用されているため、雨や雪の侵入をシャットアウトしつつ、透湿性にも優れた作業用合羽です。

また、作業現場で着用することを想定し、安全性を高めるために高視認安全服仕様となっています。具体的には蛍光カラーを採用し、悪天候や夜間でも作業者の存在がすぐに判断できるようになっています。

まとめ

作業用合羽は、悪天候の中でも快適に作業できるようサポートしてくれる存在です。

作業合羽を選ぶ際は、「透湿性」と「耐水圧」について理解した上で製品を検討するのがおすすめです。作業用合羽に適した素材にはゴアテックスやディアプレップスが挙げられます。
どちらも高性能な素材で混同されがちですが、特徴が異なるため、作業内容や気候に合ったものを選ぶようにしましょう。

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